2012年6月19日火曜日

「ぼくは地球」

吉野朔実『ぼくだけが知っている』第18話(最終章)のタイトル。

子供の頃から「大人」な少年・夏目礼智(なつめらいち)は、小学生4年生の春にクラス替えで個性派ぞろいの組入って、少しずつ「知らない」ことを知っていく。
そんなときに現れたのは、礼智にうり二つの少年・枷島十一(かしまじゅういち)。「ぼくは地球」と語り、自分より頭の良い十一に、礼智は急激に惹かれていくが…
 
浦沢直樹の『MONSTER』 や、古くは倉多江美『かくの如き!!』などにも共通するテーマがあると思う。
 
「どうして死んじゃいけないんだ? ぼくには全部 わかってる 知りたいことはもう知ってる 君もそうだ」
 
そう十一に言われた礼智は”何故か?”を考える。

「地球が死んだらぼくらは困るけど ぼくらが死んだって地球は困らない でも十一 死んじゃってもいいことは知っていても ほんとうのことはわかっていても ぼくは死にたくないんだよ だってぼく 明日の自分が何をするのか ぼくは見たいんだよ」


この物語は「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問に対する回答の一つである気がする。かつて酒鬼薔薇聖斗を「幼き頃の自分」だと思った私、かつてのブログで「なぜ人を殺してはいけないのか?」というテーマを選んだ私は、こんな話を「幼き頃の自分」たちとしてみたかったのだ。

1 件のコメント:

  1. 子どもの名前を《礼智》にした、母です。私は礼智の母になりたかった!! 礼智だけが知っている事を聞きたかった…けど、何か違いました(^_^;) 最近知人から教えてもらった本が少しこの気持ちを整理させてくれたのでお知らせします。 
    飯田史彦さんの『生きがいの創造』です。
    突然、失礼しました m(__)m takara.

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