2012年1月3日火曜日

道しるべ

元旦に放送されたNHK『目指せ!ニッポン復活』。出演者は奥山清行(工業デザイナー)、藻谷浩介(日本政策投資銀行参事役)、山口義行(立教大学教授)、姜尚中(政治学者)、中園ミホ(脚本家)。

” 「脱・これまでの日本式」への大胆な転換を提案し、ニッポン復活への道しるべを示す”という副題でしたが、大雑把に言うと”ルネッサンス”という事であろうと番人は思いました。視点を変えれば駄目と思われる状況にも希望はいくつもあると。

取り上げられてた例の一つはオーストリアのペレットストーブ、ペレットボイラー 発電。岡山県真庭市の製材会社。

東西冷戦下”お隣さん”に作物を売ることができなかったオーストリアの農村部では、ベルリンの壁崩壊による出荷増を当て込んだが、逆に安い農産物流入で大打撃。出稼ぎ率の高い地域となった。その状況を変えたのは燃焼効率を上げたペレットストーブとボイラー発電。此処では地域のエネルギーの70%?を森林のバイオエネルギーで賄うため石油価格の変動などの影響を受け難いそうで、ローカル故に可能だったグローバリゼーションからの脱却と紹介されてました。

岡山の製材会社はバブル崩壊で初の赤字決算。先の見えない不況下で、支出を抑えるため樹皮などの”廃棄物”を燃料に自家発電。それまでの年間二億円の廃棄物処理費用がゼロになり、現在では売電と木質ペレット販売で収入増!新たな雇用も創出!

他にも奥山清行氏プロデュースによる、各地の伝統工芸技術集積商品。フォーミュラタイプ(スーパーセブンの様な)スーパーカー。食器など高付加価値の例を紹介。

まだまだ日本は捨てたもんじゃないし希望がある!と思わせてくれる番組でした。

ただし、取り上げられてた例は”ヒント”であって、地域の事情や時代に合わせてカスタマイズされなければ功を奏さない事は考えなければなりません。”他に無い”から高付加価値を生むわけですから。


2012年1月1日日曜日

Stairway to Heaven

正月早々縁起が悪いと思われるかもしれないけれど、Led Zeppelinのこの曲を聴く度、幼い頃に天国への階段を登りかけた事を思い出す番人。

記憶にあるその時の風景からすると四、五歳くらいだったと思われます。石森章太郎『となりのたまげ太くん』の主人公が首吊りしながら考え事をする場面を読んで、アパートの前にある共同物干し場に縄を掛けて「どんな気分になるのか形だけ」真似てみた途端、手を滑らせて本当に首吊りになった。

その刹那に思ったのは「間違えた!ごめんなさい!」だった。間違えたのはその通りだが、”誰にごめんなさい”だったのか?すぐに気を失ったので憶えていない。意識が戻ったのはお隣さんの玄関先。苦しかった記憶も無いので、ひっぱたかれた痛さと揺り起こされた振動に気が付く直前まで夢を見てた様に思う。

それは、 光り輝く階段を登って行った先に光り輝く人の形。眩しいと言うより何もかもが曖昧模糊としてはっきりと分からない状態だった。登りきって人の形に手が届こうかという瞬間に揺り起こされたのだった。

お隣さんが気付かなければ、番人は存在しなかったのだ。


『Stairway to Heaven』は懐かしさと優しさと共にこの記憶を蘇らせる。

明けましておめでとうございます

昨年も様々な出逢いと別れがありました。”祇園精舎”ではないけれど、変わらぬ様に見えても変わっていく。その変化が大きな年でした。

”人間万事塞翁が馬”という故事通り、変化は良き出逢いももたらして、ミルクの出産、生まれた仔犬の内の二匹が貰われて行き、幼稚園でのツリーハウス制作、新郷村のオブジェ制作等々、皆様には大変お世話になりました。

今年も良き出逢いが皆様に多く訪れますように!



2008年に日本で公開された『Gipsy Caravan』という映画に出演して、「GIPSY QUEEN」と呼ばれているマケドニアの歌手エスマの歌声とジプシーたちの写真が、悲喜こもごもの中にあっても歩みを止めぬ力強さを感じさせるのでご紹介。



今年もよろしくお願い致します。

森の番人